インタビュー記事

取材日:2021.4.21(火)  

話し手:株式会社 サガプリンティング

    総務部 天ヶ瀬様 


― 昨年からSDGsの取り組みを始められたと思いますが、始められた際の不安や期待感、現在の状況について教えてください。

 

 昨年、社内でSDGsに対して取り組もうとした矢先にコロナ禍の状態になり、本業である印刷業にも影響を受け、SDGsの活動を実施するという事が出来ていないというのが現状です。

 ただ、各人がSDGsの一環として、日常の作業の中で少しでも出来る事を見つけて、気に留めていくように頑張っています。例えば、蛍光灯が古くなって交換しないといけない様な状況になった場合に、LEDに交換したり、ごみを分別する場合にも燃えるごみとプラスチックは必ず別々にする。また、営業車を別の車両に替える場合はハイブリッド車に変更する等して、少しでもSDGsの掲げる目標に近づけれるように頑張っているのが実情です。

 

 


― 社員皆様のSDGsに対する意識の持ち方やモチベーションはどのように行われていますか?

 

 社員の皆さんに教育を行い、事あるたびに言葉を出して、普段からの行動において少しでもSDGsに対する意識を持ってもらうように努力しています。総務部という立場からも各社員に対して常に声をかけて、普段でもできることはお願いしていますので、SDGsに対する意識は高いと思います。

 


― この一年間で何か実現されたことはありますか?

 

 窓あき封筒の窓の部分を従来のプラスチックからグラシン紙・グラファン紙に変更した「グラシン窓封筒」を使用することで、ゴミの分別作業を減らすことができ、地球に優しい環境作りから“脱プラスチック”としてSDGs活動に対して貢献ができたのではと思っています。

 

 従来のプラスチックの場合は、窓の部分をハサミで切り取って、窓の部分とそれ以外を区別して捨てる必要がありました。「グラシン窓封筒」に変える事でその分別作業がなくなり、この封筒を使用する事で時短にもなり、地球にも優しく、SDGsの取組の一つ“脱プラスチック”として企業イメージのアップにつながる事を訴えたおかげで、昨年1万枚の受注を受ける事ができました。一生懸命に営業に働きかけて、お客様に受注していただいた事がとても嬉しくて励みになりました。

 

 現在は、紙で出来た「紙製クリアファイル」に対して、子どもたちの写真を印刷したり、好きな絵や写真を印刷したりする作業が出来ないか検討しているところです。紙で出来ているため古くなったり、使用できなくなったりした場合も紙なので、シュレッターで廃棄したり燃えるゴミとして処分する事も可能であるため、グラシン窓封筒と同様に“脱プラスチック”として会社の活動としてアピールできないか考えています。

 

 ※グラシン窓封筒 … 窓枠部分の素材がフィルム(プラスチック製)ではなくグラシン紙・グラファン紙を使用している封筒

 

 


― やろうとして出来ていない事はありますか?また、これは出来ているという部分はございますか?

 

 SDGs活動の目標7である「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」でのテーマ“再生可能エネルギー”を運用するという箇所については、まだ実際に取組まではいたっていない状況です。コロナ禍の状態でほとんど手をつけられてないのが実情です。

 

 目標8の「働きがいも経済成長を」については、SDGsに取り組む以前から意識して行っている部分なので、できていると思います。特に会社に対してだけではなく、地域貢献のために「生きがい」、「働きがい」を重視できる社員を教育して行きたいと思っています。地域活動にも積極的に社員が取り組めるような環境作りを行っています。

 

 


― このコロナ禍の中、新しく始められた事や、これから積極的に行って行きたい事はございますか?

 

 今は、ホームページ作成のための「ペライチ」を積極的に押し出してWeb制作などをアピールしているところです。社会が変容していく紙に変わる媒体として、「ペライチ」を利用して色んな広告宣伝に利用していければと思って力を入れている所です。

 

 ※ペライチ … ホームページ作成ツール

 


― 今後の目標・課題については、どのように考えられていますか?

 

 コロナ禍の状態なので、先ずは生活が本来の状態に戻ってほしいのが正直なところです。ただ、日々出来るところから進めて行き、昨年できなかった活動が今年こそ進めればと思います。あとは社員のモチベーションが下がらないように、日頃から意識を持ち続けられるように頑張って行きたいと思います。そのために、先ずは「グラシン窓封筒」を他の企業にも使っていただけるように“脱プラスチック”を目標に努力していきたいと思います。

 また、お客様に使っていただくためには営業含めた社員皆が目的・効果を共有しあえるように社内に働きかけて行きたいと思います。

 

 SDGs目標8の「働きがいも経済成長を」に対しては、残業の減少や有給休暇の積極的な取得、地域活動への貢献が出来る人材を育てる部分については会社として実際うまくできているかなと思っているのですが、定年をなくしたり、健康で働き続けられるまでの仕事を作り出していくことに対しては、実際どのように進めていけばいいのか、雇用の確保・給与の問題、経験者の採用、就業規則等色んな問題を抱えていて、会社自体でも方向性がまだ見えてきていません。そういう部分を課題として今後検討していかないといけないと思っています。  

 


― 最後に一言

 

 コロナ禍の状態で、やろうとしていたSDGsの取り組みが積極的にできず、あまり進んでいなかったのですが、本日こういうお時間をいただき、思いを話すことで改めて頑張らなきゃという気持ちが芽生えてきました。

本日はありがとうございました。

以上 

聞き手:松尾 俊明