インタビュー記事

取材日:2021. 9. 9(木)  

話し手:株式会社エースホーム 

     佐賀営業2課 

      部長 北島 賢治様



― SDGsを始められた時の苦労や問題点はございましたか?

 

 開始当初はチームリーダー5名で結成し立ち上げたにもかかわらず、実施途中で3人のリーダーが退社するという事態が発生し、現在残っているリーダーは2名のみとなりました。今はかわりのリーダー3人を選出して進めている状況です。

 社長の創業時からの熱い思いを企業行動憲章に反映させるべきだという気持ちを受け取って、会社のさらなる存続・発展を目的に当初のチームリーダー5名で企業行動憲章を作り上げたのですが、気持ちのずれがあったのか3人の退社という結果になってしまったことが非常に残念であり反省点でもあるかと思います。

 チームリーダーとして思いを社員に伝えていき、その思いを持続させていく事の難しさを感じました。リーダーとしての私が他のチームリーダーに伝えつつ、そのチームリーダーの5名がメンバー一人一人の思いをくみ取っていくという伝達の浸透がうまくできなかったのではないかと思います。立派な企業行動憲章が出来上がったとは思いますが、取り組んでいる社員一人一人が自分がどこにかかわっているのかを意識させることが本当に難しく思いました。

 企業行動憲章は出来上がってはいるものの、まだ見切り発車状態でこのテーマに応じた実績が結果として見えてこないという状況でもあります。

 


― SDGsを進めてきて良かった点はございますか?

 

 SDGsのバッジを社員全員が身に着ける事で、お客様やいろんな方からバッジの事を聞かれたり、また新聞広告などでSDGs推進企業として取り上げられることで注目されたり、高評価をいただきながら、色んなお客様からお声掛けされたりすることが良かった点です。企業イメージのアップにもつながっているのではないかと思います。

 それと、他業界同様、住宅業界でも休みが取りにくいという問題を抱えていたのですが、SDGsの「働きがい」のある環境作りを目指すことで、休みがとりやすく業務の効率化につながるように改善していけてるのではないかと思います。それによって、われわれ社員と社長を含めた経営陣の方達に対して、意見を言いやすい風通しのいい環境作りになったのではないかと思います。

 


― SDGsを進めるにあたって定期的に行われている事はございますか?

 

 最低月1回、月初に全社員参加の全体会議を開催しています。その中で、SDGsの行動結果(先月の結果、今月の予定)を報告しています。リーダー一人一人の役割分担もあるので、5人のリーダーがそれぞれ月初会議の前に自分たちのメンバーの行動結果を把握し、出来てているのか出来ていないのかといった判断を行っています。やれていない場合は、そこで意識を高めていけるように進めています。

 また、テーマごとにいつまでに何をやるべきかという目標も設定していますので、それがまとまったタイミングで5人のリーダーがリーダー会議の場で内容を精査する事にしています。

 


― 今後の課題・問題点として何がございますか?

 

 私個人としては、一人一人の社員に対するSDGsの意識の持続の方法について、強制的ではなくもっと前向きに取り組ませるように意識づけさせる事ができないかというのがリーダーとしての私の課題だと思っています。本業は住宅の仕事であるために、人によってはSDGsの作業についてはやらされているという意識が強く、何のために行わないといけないのかがわかってもらえない事があります。その意識を変えていく必要があると思っています。

 月初会議等を利用して実績や実施内容に伴う効果を報告したり、お客様からのお褒めの言葉をいただいたりすることでSDGsを実施していく意欲や意識を高めていく事ができるのではないかと思います。私と新しいリーダー3人を含めた5人のリーダーで社員一人一人に対して、この意識づけしていきたいと思います。時間はかかるかと思いますが、延々と言い続けて決めたことを推進していけば、目標が達成できるのでは考えています。

 


― 企業行動憲章に関する進み具合はどのような状況ですか?

 

【全ての人が幸せに暮らせる住環境づくりの実現】

 ゼロエネルギーの家(ZEH)、生涯長く使える設計の家、健康に配慮した家、生涯がある人もない人も利用できる家、災害に強い家等の提案が、営業的には他社との差別化にもなり、実現できているのではないかと思います。

 

【生涯働き続けたいと思える職場環境の実現】

 正直なところ、まだまだ実現できてる状況ではありません。ただ、工程管理部分をテクノロジーを使って電子化する事で現場に行かなくてもいいように、作業を分散化して取り組む事ができるように活動しています。そうする事で時間を効率化して、休みを取りやすい環境作りが出来るように取り組んでいます。

 

 有給休暇・育児休暇の取得もまだまだできていないため、これから新しいリーダーとともに社員全員がもっと休める環境ができるように投げかけていきたいと思っています。

 

 給与については、人事面において社内にきちんとした評価制度が無く、どうやって自分自身が評価され、自分の給与にその評価が反映されるのかがわかりにくい状態でしたので、半年ほど(2021年4月)前位から社長の声掛けにより新しいコンサル会社に入っていただき、人事評価制度の見直しを行い始めています。社員が働き続けたいと思う環境作りのためにもきちんとした人事評価制度の導入に外部の講師にお願いして取り組んでいます。この制度を整備する事で、今やっている仕事に対して頑張る事で、給与にも反映されて、やりがいを持つことができ、さらにSDGsの目標達成に繋がるのではないかと思います。

 

【地方創生の実践】

 どうやったら地域貢献ができるのか、会社として神埼市に対して新しく応援できることは無いのか?という所をこれから探していきたいと思っています。地元に住む社員と共に、地元の寄り合いやお祭りといった部分に今後積極的に参加して、地域の中での困りごとをヒアリングしていきながら、エースホームとしてお手伝いが出来る事に対して貢献していきたいと思っています。まだまだ、ほとんどができていないため、今後もっと強化していきたいと考えています。

 


― コロナによる会社およびSDGsへの影響はございましたか?

 

 対面営業の部分ではコロナ対策を行いながら、活動はしてきましたのでコロナによる影響は感じられませんでした。どちらかといえば、2, 3か月前からのウッドショック(木材価格の高騰化)の影響の方が大きく、木材の値が上がって大変でした。その後何とか目処がついて、お客様にご迷惑にならない程度の影響で抑えられているかなという状況です。木材の価格の高騰部分はお客様に負担していただくわけにはいかないため、会社の利益圧迫はありましたが、お客様への引き渡しへの影響はなく問題なかったのではないかと思います。

 


― 最後に、当フォーラムに対して期待する事は何かございますか?

 

 他の推進認定企業様との交流を図り、お互いに困っている部分や問題点等の情報共有する事で、少しでも問題を解決できればと思います。そのためにも一緒に集まる機会を持つことが出来ればと思います。

 

以上

 

聞き手: 松尾 俊明