株式会社東海レジャー(本社:福岡県久留米市 以下、当社)は1991年に設立された社員数が156名の会社です。「会社と従業員の真の幸福のために(3e)」を企業理念に、福岡県・佐賀県を中心にアミューズメント事業をコアビジネスとして、企業主導型保育事業・飲食事業を展開され、「遊」・「保育」・「食」と多角化戦略を行うことで、「事業×事業」のシナジー効果による安定した経営基盤の確立へと繋げられています。佐賀県内では三養基郡上峰町にカフェレストラン(STANDAdd+)とパチンコ店(キャロル上峰店)を経営されています。
SDGsについても福岡県だけではなく活動拠点である佐賀県と一緒に盛り上げていければという思いから、この度、佐賀SDGs官民連携円卓フォーラムへのパートナーとしての申請をしていただきました。
今回の取材では、当社で積極的にSDGs活動に取り組まれている人事担当の錦戸仁係長にお話を伺い、人事の立場からみたSDGsの活動について、始められたきっかけやこれまでの経緯、そして良かった点、これからの目標等についてお聞きしました。特に印象に残ったのが、会社と就職活動者をつなぐ場でもあるインターンシップについてのお話でした。社内外で積極的に活動され、熱く語られるそのお話には引き込まれて応援したくなりました。以下に錦戸氏との対談内容と事前質問への回答も交えてご紹介いたします。
◆SDGsを始められたきっかけ及び経緯について
国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の趣旨に賛同し、地域で展開していく事による事業を通じ、東海レジャーの行動指針の一つである「地域の皆様へ安心と喜びを通じて、明るい社会作りに貢献し、地域に愛される健全で堅実な企業であり続ける」に基づき、地域の清掃活動や、障がい者施設・老人ホームへの遊技台の提供、震災被災地への義援金活動など、当社に関わる全ての人々や環境に対して出来ることから取り組みを始めました。
また社会課題の解決やSDGsへの取り組みに貢献でき、それが従業員の誇りと思えるような企業にしていきたい、という思いから現在も活動を行っています。そして、これからはしっかり社内外に情報を発信することで、会社の認知度も含め会社に対するモチベーションを高めていく必要があると思い、この度SDGs官民連携円卓フォーラムへの申請をさせていただきました。
◆これまでのSDGsの取り組み内容・活動状況について
2019年からは、キャロルに来店されるお客様が、施設への支援として寄与されたお菓子の景品を「天使のキャロちゃんBOX」に詰め合わせにし、福岡をはじめとした九州各地の養護施設や支援学校の約40ヶ所へお送りしております。また、健康経営の必要性から、社員の健康維持・向上を目指し、健康診断の受診を推進しております。それにより、毎年の健康診断の受診率が100%を誇っております。当社運営の企業主導型保育園では、社員は無料で子供を預けることができ、さらに地域の待機児童解消に向けて、地域住民の方のお子様の受け入れも行っております。今後も、女性社員の産休育休だけでなく、未来を担う子供たちの健全育成の為に活動するとともに、地域の発展に寄与してまいります。
◆SDGsに取り組んで良かった点について
世間からの関心が高く、企業のブランド価値向上に繋がることです。またSDGsの取り組みによってネットワークが広がり、いろいろな企業とつながることも出来ます。逆に言えば、取り組んでいなければ商談の土俵に乗ることもできないかもしれません。すでに海外では、欧州系企業を中心に、SDGs宣言をしているか否かで利用する会社を選ぶケースも出てきています。
SDGsはビジネスとセットで考えるものですが、CSRと同義で捉えられがちです。また、社内外問わず様々なシーンで発信し、伝えることが大切だと思うので、私自身もお取引先の打ち合わせの場などでもSDGsの話はしています。SDGsを知ることで他の企業様の取り組みを知るきっかけにもなります。また、人事をしていますとセミナー等で、色んな業種(産業)の色んな情報を知る機会が増えたりすることで刺激を受けています。対外的にも色んなことができていて、楽しく取り組んでいます。
◆SDGsとインターンシップについて
就職活動する学生が知りたい情報と企業側がやろうとしているインターンシップの意識においてギャップがあると思います。元々のインターンシップの意味は、職業体験のことですが、最近では主旨が変わってきているのではないかと懸念しています。インターンシップの本来の目的は学生のキャリア教育にありますので、自分の将来を考えてもらえるようなプログラムになるようにしていければと思います。当社にてインターンシップでSDGsを取り上げようとした場合は「どういう形でSDGsに結びつけることができるのか?」といったところを軸にしたインターンシップを実施してみたいと思います。自分たちで考え、さらにグループワークで皆が意見を出し合い、発表し、その中から優秀賞を選ぶといったことも1つであると考えます。また、学生たちが考えた取り組みを企業が実践する、といった図式ができると学生と企業の双方にとって有意義なインターンシップになるのではないかと思います。
したがって学生と企業がインターンシップを通じて、コラボレーションしSDGsを一つの企業活動の場として高めていくことができればと思います。
◆これからのSDGsの活動や目標、取り組み予定について
まずは会社全体へしっかりと浸透させることが重要であると思っています。また今後は企業としての目標も明確に設定し、取り組みを進めていければと思っています。
佐賀県内にも製造、IT、食品産業はじめ、多くの人々に認知されている企業が多数あります。当社としては、自社ブランドを確立し、なおかつSDGsがしっかり取り組んでいる企業と地域社会の方々に認知して頂けるよう、人事担当としてアピールしていきたいと思います。また、これからは様々な機会を通じて他企業様を巻き込んでSDGsに取り組んでいけたらと思っています。
また、実践したSDGsの取り組みが正しいかどうかの判断は、当事者では難しい面があります。したがって佐賀SDGs官民連携円卓フォーラムのような第3者的な団体に判断してもらうことも必要だと思います。
◆SDGsを進めていく上で大事に、また必要とされていることについて
SDGsは「17の答えが書かれた問題集」だと思います。「どうやって、様々な課題をクリアしていけるのか、それを考えていきましょう」という話です。そんな発想の転換をしていくことが、これからの時代には必要になってくると感じています。SDGsが先行するとメッセージが薄くなるので、自分たちが何を伝えたいかをしっかり認識することが大事だと思います。
◆これからのSDGsに期待したい事、意気込みについて
SDGsへの取組が、操業の効率化(資源の節約など)につながり、企業のブランド力が高められ、結果的に、売上の向上・優秀な人材の獲得・従業員の意欲アップ・地域社会などとの良好な関係などにつながる効果が期待できると思っています。SDGでは効果的な情報発信が重要です。なぜ情報発信をする必要があるかというと、仲間を増やして、外部からの刺激を受けることでイノベーションが起きるからです。会社としての成功も収めながら、SDGsの達成に最大限貢献をしていくための取組みを今後も継続していきたいと思います。
来年のカレンダーづくりにおいて、従業員へのアンケートを行ったところ、SDGsをモチーフとしたデザインが選ばれました。これをきっかけとしSDGsの認知度が社内外へさらに広まっていけばと思っていますので、2023年以降も楽しみです。
◆会社情報
企業・団体名 | 株式会社東海レジャー |
会社代表者 | 代表取締役社長 青松 瑛峻 |
資本金 | 600万円 |
業種 | その他サービス業 |
事業内容 | 遊技事業、飲食業、企業主導型保育事業 |
従業員数 | 156人 |
設立年 | 1991年 |
URL(会社HP) | http://www.p-carol.co.jp/ |
URL(SDGs関連) | https://fukuoka-sdgs.jp/industry/industry99/710/ |
SDGs 担当者 | 本部 係長 錦戸仁 |
取材場所:キャロル津福店内会議室
取材日:2022年11月16日
取材者:松尾 俊明